菊芋のこと

菊芋の新商品をご紹介する機会があったので、真面目に効能について。

菊芋にはイヌリンという水溶性食物繊維が多く含まれ、
100g中、約60g!(ちなみに乾燥ごぼうで30g)
そのイヌリンがもたらす効能が、”腸内環境改善” と “血糖値を下げる”なのです。

【腸内環境改善に役立つ理由】
イヌリンは果糖の重合体なので、通常の消化工程の中で消化されず、
腸内まで届いた後に初めて代謝され、善玉菌のエサになります。
それにより善玉菌を増やし腸内環境を整えます。
また、水溶性食物繊維ならではの、便を柔らかくし便通改善も期待できます。
*不溶性食物繊維は大豆やキノコなど、便のかさを増やすことで腸内を刺激するので、どちらもバランスよく食べることが大切です。

【血糖値を下げる理由】
菊芋は天然のインスリンとも呼ばれますが、イヌリンの特性によるもの。
上に書いたように、イヌリンが果糖の重合体であることから消化されにくく、
血糖値の急上昇を防ぎます。
*芋類はデンプンを多く含むので、体内に吸収されるとすぐにブドウ糖にまで分解され、血糖値をあげますよね。
更には、水溶性食物繊維の特徴として、体内に入るとゲル化することで、
余分な糖や脂肪をからめ取り吸収を抑えてくれることで膵臓のインスリン産生を抑えます。

ちなみに、インスリンとは・・
膵臓がつくる血糖値を抑える効果のあるホルモン。
糖分を含む食品は消化の過程でブドウ糖に分解され、血液中に吸収されます。
血液中のブドウ糖は”血糖”と呼ばれますが、血糖が増えるとインスリンが産生され、
その働きによりブドウ糖を細胞に送り込み、エネルギー利用や貯蔵ができるのです。
唯一血糖値を下げることのできる、大事なホルモンです。
ここでは詳細の説明は避けますが、インスリンの働きが悪くなったり、細胞にうまく
ブドウ糖を取り込めなくなると、血糖値が上がり高血糖の状態になります。
その状態が長く続く病気が ”糖尿病” なのです。

菊芋は近年注目されており、様々な商品が出ているので、菊芋の効能を耳にしたことがある方は多いと思いますが、”天然のインスリン”と言われてもピンとこない方、特に若い方は多いのではないでしょうか?
その働きの内容まで知っておくと腑に落ちますよね〜。
菊芋が良いからそればかり食べる、などの極端な行動ではなく、全体的に物事を見るきっかけにもなると思います。

兎にも角にも、日頃から甘いものの食べ過ぎなどで膵臓を疲れさせないようにすることや、腸内環境を意識した食生活を送ることが一番大事ですね。