ひょんなきっかけで知った映画を観たくて観たくてたまらなくなった。
映画は『食の安全を守る人々』
そこまでに観たいと思った理由には原村監督のインタビューYoutubeがある。
https://www.youtube.com/watch?v=4FRLTpf53dA
原村監督が1時間ほどのインタビューで話されていた中で3つの点が特に刺さった。
1つ目は、映画はフラットな目線で撮りたいと思っていること
2つ目は、監督が、前作『タネは誰のもの』の製作裏話をしていたときに、「〇〇に関しては分からないと思ったから撮りたくない、と最初は思ったんです。」という正直な言葉を聞いたこと
3つ目は、劇中で登場する山田正彦さんが、自分と反対意見の人のもとに取材に行った時の話がよかった
1つ目については、やはり何についてもどちらかの立場に偏りすぎていない内容が良い。
2つ目について。
前作の映画についてではあるが、その時に議論に上がっていた、ある問題について、「初めのうちはよく分からなかった、調べても自分の中で判断がつかなかったから、最初はその事には触れたくないと思った。」ということを話していた。
でも色々な流れでその問題に触れる事になった時には、「しっかりと勉強をして、リサーチして、準備をしたんです。」と。
知識がそもそも豊富だろう人が、「分からない」と正直に話していることがとても好感が持てた。実際に自分自身も分かったようなつもりになっていることはとても多くて、改めて気をつけないとな、と思った。
「分からない」という事についてちょっと脱線するのだけど、映画の上映をしようかと考えている段階では相当に悩んだ。
フラットな目線で撮られている、とは言っても、少し厳しい内容も描かれていると聞いていたし、それを観ることによって、お客さんが恐怖心を覚えたり、それだけが事実だと捉えられてしまったらどうしよう。とか。映画を観ていないから内容に責任を取れないと思った。
毎日のように精神がアップダウンしながら、改めて勉強をし直していた時。
あ、これは分からん!と思った瞬間があった。
農業のことなので全く無知でないにしても、調べれば調べるほど、色々な情報が出てくるし、それは全て誰かの意見が少なからず入っている。そしてネットの情報は当てにならない。
また、良い悪い、と言い合っている事柄があるとして、それぞれの立場から見れば、相手はどちらも悪であったりする。それに世の中、そんなに簡単に、綺麗事で片付けられないこともある。
それにより心底吹っ切れて、「分からないから一緒に観ませんか?」というスタンスで良いのだな、と思えるようになった。
つづく。