植物性は安心。の如何② ~界面活性剤について~

今回は界面活性剤について。

そもそも界面活性剤とは、水と油などの混ざり合わない物質の境界面に作用して性質を変化(混ざり合うように)させるもの。その性質を利用して体の汚れや、食器、衣類の汚れを落とすというものが石鹸を筆頭に洗剤類など。

「界面活性剤=肌に悪い」や「界面活性剤不使用の・・』という言葉はよく目にするし、情報を発信する側の説明不足から、誤解を招きやすい表現も多い。
ただ、それはありえないのであります。
汚れを洗浄する為のシャンプーやボディソープ、洗剤に界面活性剤が入っていなければ、そもそも汚れは落ちないし、石鹸なんて界面活性作用の塊のようなものだけど、石鹸自体は水と合わさると瞬時に界面活性作用が失われるため、肌への界面活性成分の残留という意味での刺激は安心だと言える。
(石鹸自体も奥が深いのでまたブログにまとめようと思います)

ではでは、本題の界面活性剤とは。
界面活性剤は「天然界面活性剤」、「合成界面活性剤」の大きく2種に分けられ、そして合成界面活性剤はさらに「天然由来」と「石油由来」に分けられる。

天然界面活性剤は、元々自然界に存在する成分で海面活性作用のあるもの。大豆などに含まれるレシチンやサポニンなどが有名。
合成界面活性剤について、天然由来のものはココナッツオイルやヤシ油などの植物由来の原料を化学合成して作られ、石油由来のものは石油を原料として化学合成して作られる。

ここで大切なのは前回のブログでも触れた通り、合成界面活性剤については、天然由来だろうが石油由来だろうが、最終的にできた物質の構造次第で、肌への刺激で言えば ”この成分は優しい、この成分は刺激が強い” ということになり、天然由来だから安心。とは言えない、ということ。

大切なのは、使われている界面活性剤がどのような性質を持っているか、洗浄力の強さが自分にとってどうか、環境にとってどうか。

合成界面活性剤の成分はとても多くの種類があるので、ケミカルなものを含まず100%オーガニックと謳っている商品でさえも成分表示には読んでもわからない成分の名前が並んでいることの方が多い。
それでも、きちんと肌や環境のことを考えて作られているもの(手作りしているものなどは特に)、名前は聞いたことのない化合物だとしても、調べてみるとその成分が植物由来の天然合成界面活性剤で、洗浄力が優しいものが使われていることがわかる。

私も含め、使う人自身がしっかりと勉強をして、広告や謳い文句に惑わされないこと、逆に無知から漠然と何かを怖がりすぎる、ということにならないようにきちんとした知識を皆が持つことが世の中の商品の質を上げていくことにつながると思う。